「業務委託契約」とは?納税方法や源泉徴収についての注意点と仕組み
営業職で働きながら副業で稼ぎたい人、フリーランスで仕事を受けたい人にとって、業務委託契約切っても切り離せない契約方法です。業務委託契約は様々な契約して業務を請け負うのが一般的で、多くの個人事業主やフリーランスが利用する契約方法となっています。
業務委託契約には様々なメリットがあるので是非とも利用したいところですが、デメリットもあります。また、業務委託契約によって発生した税金の納税方法や源泉徴収を行う時の注意点についても知ることが大切です。
それでは、業務委託契約とは何か、どんなメリットやデメリットがあるのか、納税方法や源泉徴収の注意点についてご説明しましょう。
業務委託契約とは?
業務委託契約とは、一般的に自社では対応できない業務をフリーランスや個人事業主などの外部と委託契約を締結して業務を行う方法です。
働き方改革の推進によって業務委託契約を行うケースが増えており、上手く活用できれば業務効率化やコスト削減などのメリットが発生します。
業務委託契約のメリット
業務委託契約には、以下のようなメリットがあります。
- 時間や場所に関係なく働ける
- 得意な業務に絞って働ける
- やればやるほど稼げる
それでは、業務委託契約のメリットについてご説明しましょう。
時間や場所に関係なく働ける
業務委託契約は時間や場所に関係なく行えるため、いつでもどこでも何度でも業務を請け負うことができます。
新型コロナの影響や働き方改革、テレワークの推進など様々な理由で働き方の多様性が広がっているため、副業としておすすめできる方法です。
慣れてくればワークライフバランスも実現できるため、フリーランスや副業を検討しているなら業務委託契約を検討してみてはいかがでしょうか。
得意な業務に絞って働ける
請け負う業務はこちらが選べるため、自分の得意な分野の業務に絞って働くことができます。
基本的にクライアントから依頼を受けて業務を行うため、雇用主が存在しない業務委託契約は特定の業務を行う強制力がありません。契約が成立して初めて責任が生まれるため、その業務を請け負うかどうか判断してから進められるのがポイントです。
やればやるほど稼げる
業務委託契約における報酬形態は案件ごとに自由に決められるため、件数をこなせばこなすほど報酬を稼ぎ出すことができます。
高いスキルや知識を積み重ねることで、本業以上に稼ぐことも不可能ではありません。
業務委託契約のデメリット
業務委託契約には、以下のようなデメリットがあります。
- 労働基準法が適用されない
- 雇用保険などに加入できない
- 自分で仕事を探さなければならない
それでは、業務委託契約のデメリットについてご説明しましょう。
労働基準法が適用されない
業務委託契約で請け負う業務は、労働基準法が適用されません。
最低賃金や勤務時間などに制限がないだけでなく、休日も決められていないので自分で業務量を調整しなければなりません。ワークライフバランスを実現させるためには、自分で業務量と休日の調整をしていくことが重要です。
雇用保険などに加入できない
業務委託契約はクライアントと契約を締結するだけなので、会社で勤務しているわけではありません。つまり、会社員のように雇用保険や労災保険などに加入することができないので注意しましょう。
業務中に思わぬ怪我や病気をしても保障されることはないので、健康などに気を使わなければなりません。
自分で仕事を探さなければならない
業務委託契約は企業側から声をかけてもらえるのではなく、自分で仕事を探していかなければなりません。
契約期間や報酬体系、納期などの交渉を自分で行わなければならないのでコミュニケーション能力が求められますし、1社にアピールしたからといって必ずしも契約できるわけではありません。
多くの会社にアピールして企業から声をかけてもらい、契約してやっとスタートラインに立てるようなものなので、根気よく仕事を探すことが大切です。
業務委託契約に関する納税方法とは?
業務委託契約を行う場合、絶対に覚えておきたいのが納税方法です。
基本的に業務委託契約で発生する税金は、以下の通りです。
- 所得税
- 消費税
- 住民税
- 個人事業税
- 源泉徴収税
そして2013年~2037年までは個人の場合のみ復興特別所得税が加算されます。
以上の税金のうち、住民税と個人事業税は市区町村によって算出される金額が違いますが、あらかじめ金額が記載されている納税通知書が送付されます。
また、個人事業税は以下のいずれかの条件を満たしている場合のみ納税義務があるので注意しましょう。
- 住んでいる都道府県に事務所などを持っていること
- 前年度所得が290万円以上であること
- 法律で定められた対象の企業であること
以上の税金は対象になる人であれば支払う義務があります。
住民税と個人事業税は市区町村から納付書が送付されるので、期限内に支払うだけでOKです。
所得税と消費税は翌年の確定申告を行って納税します。必ず期限内に確定申告書を提出しないと無申告加算税や延滞税、青色申告特別控除の減額といった様々なペナルティが発生します。
したがって、1月1日~12月31日までの所得を翌年の2月16日~3月15日までに申告して納税しましょう。
源泉徴収税はクライアントが自動的に徴収されているので、確定申告の際に調整した上で不足分の納税や過払い分の還付申請を行う必要性があります。
業務委託契約における源泉徴収の注意点
業務委託契約を締結する場合、基本的に個人事業主やフリーランスの場合は源泉徴収が発生しません。会社員であれば自動的に会社側が給料から天引きする形で納税されますが、個人事業主やフリーランスの場合は、以下のような場合に源泉徴収が行われます。
- 原稿料や講演料など
- 弁護士や公認会計士等特定の資格を持つ人に支払う報酬・料金
- プロ野球選手・プロサッカー選手などに支払う報酬・料金
- 役務の提供を約することにより、一時的に支払う契約金
なお、源泉徴収の税率は、以下の通りです。
- 報酬額が100万円以下の場合、報酬額×10.21%
- 報酬額が100万円以上の場合、報酬額×20.42%
以上のようになっているので、計算する場合は注意しましょう。
また、所得税の確定申告を行ったことによって、源泉徴収された金額が還付金として受け取れる場合があるため、しっかりと計算することが大切です。
まとめ
業務委託契約は近年になって注目されている業務形態であり、新しい働き方として検討する価値は十分にあります。
時間も場所も選びませんし、やればやるほど稼げるのでおすすめの副業だと言えます。
ただし、逆に仕事がなければ収入も少なくなるため、いかに仕事が得られるかどうかが重要になるでしょう。