営業代行の副業禁止は違法?法律・禁止の理由・NG行動について解説
「副業をしたいと考えているけど、会社にバレないか不安」「副業をしていてバレる原因を知りたい」「副業禁止の会社って違法じゃない?」
副業を始めようか検討している方は、まず副業についての規則や法律などをを理解しておく必要があります。
そこで今回は、副業が禁止されるケースや、副業がバレる原因などを解説していきます。
[box03 title=”この記事で分かること”]
- 副業は憲法や法律によって認められている
- 例外的に企業が副業を禁止・制限できる理由がある
- 副業でしてはいけない3つのNG行動
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これから副業をしていきたいと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
副業は法律で禁止されていない
現在日本で副業を禁止している憲法や法律はありません。
厚生労働省は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成しており、ここでは次のように述べられています。
「 副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり~」(参照:副業・兼業の促進に関するガイドライン )
このことから、民間企業では自由に副業ができると考えておいてよいでしょう。
公務員の場合は副業が法律で禁止されている
公務員は国家公務員法・地方公務員法によって副業が禁止されています。
こちらは、国家公務員法で副業が禁止されている条文です。
- 私企業からの隔離(国家公務員法第 103 条第1項)
職員は、営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員等の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない - 他の事業又は事務の関与制限(国家公務員法第 104 条)
内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可がない限り兼業してはならない。
このことから、営利企業(民間企業)に属することや、自営業を営むのは禁止とされています。
- 地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限)
(2)制限される行為地方公務員法第 38 条第1項により、営利企業への従事等として制限される行為は、次のとおりです。
ア 営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員などに就任すること
イ 自ら営利企業を営むこと
ウ 報酬を得て事業又は事務に従事すること上記行為については、人事委員会規則に定める基準に従い、あらかじめ許可を受けなければ従事等をすることができません。
地方公務員法でも、国家公務員法と同じように副業の禁止を明言しています。
しかし、一部の自治体(神戸市や広島市など)では、公務員の副業が認められています。
ただし副業の内容は、公益的活動や社会貢献活動に限定されているため、基本的に営利活動での副業はできません。
企業が副業を禁止するのは違法か?
企業側が従業員に対して副業を禁止することはできません。憲法によって職業選択の自由が認められているため、副業は自由に行うことができます。
そのため、正当な理由なく副業を禁止することは違法です。
しかし、例外的に企業側が副業を禁止・制限できるケースがありますので、注意が必要です。
副業禁止・制限が認められている4つの理由
ここからは、企業で副業を禁止している理由を解説していきます。
「副業・兼業によるガイドライン」では原則副業を認めていますが、次のような場合は、企業側が制限することが可能です。
➀本業への支障がある
②企業の守秘義務違反
③競合避止
④名誉棄損や信頼喪失
本業への支障とは、副業による過労などにより、本業でケアレスミスの増加や体調不良等が起こるリスクを指します。副業が本業と異なるのは、労働時間の管理ができないことです。企業側はそのリスクを想定して副業を制限しているのです。
守秘義務違反が想定される場合も、企業側が副業を禁止・制限できるように就業規則を定めておく必要があります。情報漏洩が起こると就業先の企業だけでなく、取引先やお客様に不利益が発生してしまいます。
また、競合避止のケースや名誉棄損など、企業としての不利益や信頼喪失につながるような副業は禁止されています。
特に営業職の場合は、商材や提案先を見極めないと競合となってしまう可能性がありますので注意して選ぶ必要があります。
以上のような項目は、就業規則で明記されていますので、しっかりと確認しておきましょう。
副業がバレる3つの原因
法律で禁止されていないからとは言っても、会社によっては大々的に言いずらい、できればバレないようにやりたいという人もいるでしょう。
プラセルでは基本的に内緒で副業をすることは勧めていませんが、そういった事情のかたのために、ここからは副業がバレる3つの原因をみていきましょう。
いざ実際に副業をするとなったとしても、「副業がバレないか不安」「バレたときのリスクはどういったものがあるのだろう」と思っている方もいるのではないでしょうか。
そのため、副業を始める前に、「副業がバレる原因」を押さえておくことが大切です。
副業がバレる要因は3つあります。
・所得税の確定申告をしていない
・住民税を特別徴収で納めている
・SNSでの情報漏洩や密告
それでは1つずつ見ていきましょう。
確定申告をしていない
副業での収入が20万円を超えた場合、所得税の確定申告が必要になります。
所得税の確定申告は義務ですので忘れずに行ってください。
ただし、あくまで所得税とは副業で得た利益から経費を引いた金額ですので注意しましょう。
たとえば、年間で100万円の売り上げがあったとして、80万円の経費がかかった場合、収入は20万円ですので、確定申告が必要になります。
収入が20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。
住民税を特別徴収で納めている
副業によって住民税が増額すると、企業側から副業を疑われてしまいます。
住民税は給料から天引きになっていることが多いため、副業で収入が増えれば、企業側から「他に仕事をしているのか?」と疑問視されるからです。
副業の内容がバレるわけではありませんが、本業以外に仕事をして収入を得ていると企業側は認識しています。
そのため、住民税を支払うときは、特別徴収(給料からの天引き)ではなく普通徴収(自分で支払うよう)にしましょう。手続きは市役所等で行うことができます。
副業で収入を得たときは、普通徴収の手続きを済ませておくようにしてください。
SNSでの情報漏洩や密告
SNSで情報漏洩をしたり、同僚からの密告で副業がバレることがあります。
例えば、本名でSNSを使って副業に関する投稿をしていたり、同僚に副業をしていることを、うっかり話してしまうケースです。
この場合、個人情報の特定や企業の信頼喪失など重大な問題に発展することも考えられます。
副業を本名でやらないと仕事をもらえないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、匿名でも十分仕事を獲得することはできます。
SNSは細心の注意を払って利用することが大切です。
副業に関する規則を確認してチャレンジしていきましょう
今回は、副業の禁止や制限されるケースと副業でのNG行動について解説しました。
・副業禁止は違法であり、原則自由に副業をすることは認められている
・例外的に企業側が副業を禁止・制限するケースがあるので注意
・副業がバレるのは「確定申告をしていない」「住民税が特別徴収になっている」「SNSでの情報漏洩や密告」の3つ
副業についての規則やリスクをしっかりと理解したうえでチャレンジしていきましょう!