個人事業主とフリーランスの違いとは?それぞれのメリット・デメリットについて
「営業職として独立したい!」
「副業を本格的に行っていきたい!」
など考える人はその働き方についても考えていかなければなりません。
個人で働く代表的なものと言えば『個人事業主』と『フリーランス』。
耳にしたことはあるけれど何が違うのか?自分はどちらの選ぶべきなのか?ハッキリ分からない人も多いと思います。
そこで今回は『個人事業主』と『フリーランス』の違いについて詳しく解説していきます。
[box03 title=”この記事で分かること”]
- 個人事業主とフリーランスの違い
- 個人事業主とフリーランスの特徴
- 個人事業主とフリーランスのメリット・デメリット
- 開業届を出すタイミング
[/box03]
これから独立を考えている人はもちろん、フリーランスとして活動しているけれど開業届はいつだそうかと悩んでいる人はぜひ最後までチェックしてください。
『個人事業主』と『フリーランス』の違いとは
結論から申し上げると、個人事業主とフリーランスが大きく異なる点は『税務署に開業届の提出しているかどうか』の違いです。
個人事業主 | 比較項目 | フリーランス |
税務上の呼称 | 区分 | 働き方の呼称 |
要提出 | 開業届 | 未提出 |
継続して事業を行う | 継続 | 継続は必須ではない |
青色申告 | 確定申告 | 白色申告 |
フリーランスとは『働き方』の呼称であり、特定の法人(会社)に属さず個人で業務を行う働き方をしている人すべてを指します。
一方で個人事業主は『税務上の区分』の呼称で、税務署に開業届を出している人が個人事業主になるのです。
[jin-iconbox01]フリーランスとして会社に属さない『働き方』を選択している人で、開業届を出している+法人化していない人は『個人事業主』。[/jin-iconbox01]
「開業届をだしているかいないかだけの違いなの?」と、言われるとYES。
しかし、フリーランスとして働くすべての人が開業届を提出し個人事業主になれるわけではありません。
[box04 title=”フリーランスが開業届出す条件”]
- 法人ではなく個人として独立している
- 反復・継続して事業を行っている[/box04]
フリーランスとして働いている人であれば①の人ではなく『個人として独立している』は問題ないでしょう。
②に関して、例えば不用品をフリマアプリなどで販売し収益を得るなどという副業の場合は反復と継続性がある事業として認められないため開業届は出せず個人事業主となることはできないのです。
- フリーランスは『働き方』個人事業主は『税務上の区分』の呼称
- 開業届をだせば個人事業主
- どんな風に働いてるの?と言われたら『フリーランス』
- 個人ですか?法人ですか?と言われたら『個人事業主』
次は個人事業主とフリーランスそれぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。
個人事業主のメリット・デメリット
まずは、個人事業主のメリット・デメリットを解説します。
メリット | デメリット |
|
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一番大きなメリットは、やはり青色申告で確定申告ができるという点でしょう。
青色申告はフリーランスの白色申告より節税面で大きく有利。
また、小規模企業共済にも加入することができます。
[jin-iconbox07]小規模企業共済とは
退職時などに給付金が支給される制度。
会社員と違い退職金がない個人事業主は、多くの人が小規模企業共済に加入している。[/jin-iconbox07]
個人名でなく屋号名で銀行口座をつくることもできますし、
「保育園や事務所契約の際に事業をしている証明が欲しい…」
と、いう場合も個人事業主であれば開業届が証明書として活用できるためメリットは大きいでしょう。
一方デメリットは失業手当を貰えないこと。
会社を辞めて独立したての場合、失業手当を受給している人も多いと思います。
[jin-iconbox07]失業手当とは
会社を退職後、再就職をしようと就職活動している人に受給される手当[/jin-iconbox07]
しかし開業届を出し個人事業主となった場合は『事業主』となり失業手当の対象から外れてしまうのです。
また、確定申告が必須となるので日々経理はしっかりと行っていく必要も。
青色申告は白色申告より書類作成が複雑とされているので、最初は戸惑う人も多いです。
今は自動的に書類作成してくれるサービスもありますし、プロに任せるということもできるので収入に合わせてうまく活用していきましょう。
フリーランスのメリット・デメリット
続いては、フリーランスのメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
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フリーランスは開業届をださないので、パートナーの扶養に入り扶養内で納めることで社会保険などの優遇を受けることができます。
継続を強く考えなくていいので、自分のペースでやりたくないときはやらない!なんてこともOK。
人脈を広げつつ、様々な分野にチャレンジすることも可能です。
確定申告をするにしても青色申告より簡単に書類作成ができますが、その分税金面の優遇は少なくなります。
さらに開業届のような信頼ある証明書は発行できず、銀行口座も屋号でつくることはできません。
開業届を出している個人事業主より社会的な信用は圧倒的に劣ります。
フリーランスが個人事業主になるベストタイミングとは
今フリーランスとして働いている人も、いつか個人事業主になると思っている人も、メリットデメリットがありいつ開業届をだすのが一番いいのか?と悩むところ。
原則として、開業した日から1カ月以内に開業届は提出する必要があります。
しかし、開業届の提出が遅れたからと言って罰則はありません。
フリーランスの場合、開業日をいつとするかは自由なので自分の都合が良い日で設定する人がほとんどです。
[jin-iconbox01]開業届の提出が遅れても罰則はないが、税金上の優遇を受けられるのが遅れるなどデメリットもあるので要注意[/jin-iconbox01]
「縁起のいい日や記念日に開業したい!」
「イベントを開催したいのでそれまでに!」
など、特別な理由が無い限りは収入が一定額に達した場合に開業届をだすことをおすすめします。
副業の場合 | 所得20万以上 |
専業の場合 | 所得48万以上 |
なぜ上記の所得を目安とし開業届を出すべきなのかは以下の通りです。
副業フリーランスが開業届を出すタイミング
副業の場合は所得20万円以下だと所得税の申告義務がありません。
所得20万以下+開業届未提出であれば勤め先の年末調整のみで処理ができます。
しかし20万以下で開業届をだしてしまうと年末の手続きが増え負担だけが増加してしまうので、副業の場合は所得20万円が開業届を提出するラインでしょう。
専業フリーランスが開業届を出すタイミング
専業の場合、所得48万円以下であれば所得税の負担がありません。
しかし48万円を超えると税金の納付が必要なケースがあるため、開業届を提出し青色申告をできる状態にしておくことで節税効果が期待できます。
そのため、専業の人は所得48万円が開業届を提出する日ひとつの目安と考えておきましょう。
個人事業主とフリーランスの違いを理解しうまく活用しよう!
今回は個人事業主とフリーランスの違いについて解説しました。
- フリーランスは『働き方』の呼称
- 個人事業主は『税務上の区分』の呼称
- 個人事業主とフリーランスの違いは開業届の提出有無
- 税金面の優遇は個人事業主のほうが高い
- 開業届は原則開業日から1カ月以内
- フリーランスは所得で開業届を出すかを決めるのがおすすめ
同じようで違う個人事業主とフリーランス。
税金面の優遇や社会的信頼度であれば個人事業主が圧倒的に有利です。
とはいえ、どちらにもメリット・デメリットがあるので自分がベストなタイミングで開業届を提出しより快適に事業を進めていきましょう!